仕事や結婚、出産、子育てなど両立している女性は多いが、完璧にこなそうとするとうまくいかず、肉体的、精神的に大きなストレスを抱え「スーパーウーマン症候群」になるケースが増えてきている。
(参照:その症状は月経前症候群?更年期障害?30代を迎えて気になる体の不調)
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スーパーウーマン症候群の患者には、男性に多くみられる燃えつき症候群などの鬱症状とは異なり、「女性としてこうあるべき」という性別役割分業に関する強いこだわりから意識と現実のギャップに不安を抱え、体調不良を起こすようになるという特徴がみられる。もともと「スーパーウーマン症候群」という用語は1985年にアメリカの精神衛生学者マージョリー・H・シェイヴィッツ氏によって使われたのが始まりである。シェイヴィッツ氏はスーパーウーマン症候群について「女性が仕事や妻、母などのいくつもの役割を『完璧に』こなそうとすることで、肉体的だけでなく精神的に負担を感じ、対人関係に支障をきたす」と定義している。
女性は男性の2倍近く鬱病になりやすいとされ、女性ホルモンの変動で症状が悪化することもある。もちろん多様なことを同時にこなせることは素晴らしいことではあるが、自分を追い込みすぎるようでは元も子もない。1人では限界があることを素直に認め、がんばりすぎてはいないか、と自分自身を見つめなおすことも大切である。