近年、薬剤に耐性を示す結核菌による「多剤耐性結核」が相次いで報告されている。研究機関では多剤耐性結核に有用な薬剤が開発されるものの、その普及率は必要とされている地域では依然として低いことがWHOの調べで分かった。
(参照:海外に半年滞在で約半数が多剤耐性菌に感染)

Photo:Mycobaterium tuberculosis By Microbe World
WHOによると、結核は単一の感染症としてはHIV・エイズに次いで、世界で2番目に死亡者数が多い疾患であるという。多剤耐性結核は、標準治療に用いられ最も効果的な第一選択薬であるイソニアジドとリファンピシンに耐性を示す結核菌が引き起こすものである。個人差はあるが、通常の結核の治療期間はおおよそ6ヶ月から9ヶ月と言われているのに対し、多剤耐性結核の場合は長い場合で2年間かかるという。
多剤耐性結核患者数の多い地域で薬剤の普及率が伸びない理由の一つとしては、有用な薬剤の登録及び使用がされていないことが挙げられる。また、薬剤が高価格であることも普及率低迷の原因の一つである。今後は、薬剤がより早く患者のもとに届く仕組みが必要とされるであろう。