東京医大などの研究チームの調査で、海外に半年以上滞在した約半数の人が多剤耐性菌の「ESBL産生大腸菌」に感染していた。感染が確認されたのは22人で無症状だったという。
(参照:長く続く痛み 男女の8割が通院せずに自己対処)
Photo:Virus By Yuri Yu. Samoilov
研究チームは、2012年9月から2015年3月までの約2年半にかけて調査を実施。20~50歳代の男女45人の渡航前と帰国後の体調を調べた。その結果、約半数にあたる22人から「ESBL産生大腸菌」を検出。多剤耐性菌は、過剰または過少な抗生物質の使用により変異した細菌であり、健康な人が感染してもすぐに発症するわけではない。今回の調査でも「ESBL産生大腸菌」を検出した22人は無症状だった。しかし、抵抗力が低い人が感染すると重症化したり、これまで有効だった治療薬が効かなくなったり、治療可能な疾患で死に至る恐れもある。
世界保健機関(WHO)は29日に各国の対応状況の結果を公表した。回答があった133カ国中、国家計画として対処を検討しているのは4分の1にとどまり、米国と中国を含む60カ国からの回答は得られなかった。