慶応大らの研究チームの発表によると、染色体の末端にある「テロメア」の長さと長寿が関係していることがわかった。
(参照:平均寿命 日本人女性が1位の87歳 男性は80際で8位)
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慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターの新井康通専任講師ら研究チームと、広瀬信義特別招聘教授と英ニューカッスル大学のトーマス・グリニツキー教授らは、100歳以上の高齢者とその血縁者、85〜99歳の高齢者の計1554人の血液を採取し、代謝、肝機能、腎機能の働き、炎症、テロメアの長さを分析。その結果、テロメアは細胞分裂をするたびに短くなるため、加齢とともにその長さが細胞の老化に反映されると考えられている。しかし、100歳以上の高齢者とその血縁者は一般的な平均値と比較しても長く、80歳代の人のテロメアの長さは、60歳代の人と同じくらいの長さだった。
この結果から、新井専任講師は、テロメアが長く保たれている理由として、免疫細胞の老化が起こりにくいまたは、酸化ストレスの影響を受けにくいなどの可能性をあげている。さらに、85歳以上の超高齢者に、食事や運動週間の調査を行い、健康増進法の開発を目指している。