愛知県で進める女性看護師への復職支援が効果を見せている。愛知県看護研修センターで無料で行っている復職研修は、550人を超える看護師の復職を実現させた。
(参照:女性医学生 7割が出産しても仕事との両立を考える)
日本看護協会の調査によると、全国の常勤看護師の離職率は平均11.0%。離職による人手不足が問題となっているが、愛知県内では離職率が12.0%と全国の平均を上回るなどさらなる深刻化をみせている。同県ではこの問題の解決に向け、復職支援や子育てと両立しやすい環境づくりへの本格的な取り組みを進めてきた。
愛知県看護研修センターの「カムバック研修」は、空いてしまったブランクに不安を持つ看護師のための無料研修である。現在までに1170人が受講。10年間で550人を超える復職へとつながった。
愛知県がんセンター中央病院は、今年4月に保育所「キッズルーム バンビ」を開設。同院に勤める医師や看護師の生後6カ月〜3歳までの子どもの託児ができる。利用は月曜〜土曜日で、平日は夜間保育も行っている。利用者からは「子どもが病気になってもすぐに駆けつけられる安心感がある」といった声が上がっている。
また愛知国際病院では保育手当のほか、看護師一人ひとりの状況に合わせ、余裕のある人員配置体制、有給の看護休暇や夜勤希望者への夜勤支援手当といった対応をしている。この待遇改善により、現在では復職や新規採用の看護師たちが安心して働くことができ、多くの優秀な人材が集まってくるという。
愛知県ではさらに保育所の利用状況を検証し、利用者を増やしていくことを検討している。