厚生労働省は、乳がん患者の妊娠・出産を支援するための医療者向けの手引書を作成した。抗がん剤がもたらす不妊の可能性や、治療後の生活を見据えた卵子の凍結保存についても記載されている。
(参照:傷跡も残らない?進む乳房再建技術に期待)

Photo:pink ribbon By Tessa Ann’s Buttons
日本で乳がんになる女性は16人に1人と言われており、2010年の乳がん患者数は約6万8千人にのぼる。乳がん治療は日々進歩しており、治療のための大きな負担とされた乳房切除に関しても、乳房再建が健康保険適用の対象になるなど大きく変わってきた。しかし若い世代の乳がん患者数が増えており、がん治療の一環としての抗がん剤や放射線から不妊になる恐れもあるなど、依然として問題は山積みである。
国立がん研究センターの清水千佳子医師が代表を務める厚労省研究班は、がん治療医と生殖医療医が協力し「乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き」を作成。手引書では患者が妊娠を希望しているかを尋ねること、治療前に卵子凍結保存しておく方法などが記載されている。さらに、抗がん剤や放射線が不妊につながるリスクついても詳しく解説されている。
手引書は3200円(税抜き)で販売されており、これとは別に患者側の理解を深めるために「乳がん治療にあたり将来の出産をご希望の患者さんへ」も作成。NPO法人「日本がん・生殖医療研究会」のホームページで公開している。