インド政府は9日、ヨガや伝統医学アーユルヴェーダなどの振興を行っていく「アーユシュ省」を設立。近年、アーユルヴェーダは伝統的な薬が改良されたり、日本でもヨガと併せてトリートメントを行うセラピストや施設が増えるなど、一種のブランドとして注目を集めている。
(参照:西洋と東洋で違う治療法 風邪治療も年齢、体質によって対処を)
アーユルヴェーダは、体や心全体をみるインドの伝統医学であり、「アーユルヴェーダ」という語は、ayur(生命)とveda(知識・科学)で「生命学」や「生命の科学」といった意味を持つ複合語である。日本では6世紀の仏教伝来とともに仏教医学として伝えられたと言われており、長く中国医学が主流だったため取り立てて注目されることは多くなかったが、今日残存する地域医療や薬物にはアーユルヴェーダを起源にもつと考えられるものが多くみられる。大正期にアーユルヴェーダの医療体系が日本に紹介され、1970年代にはアーユルヴェーダ研究会が設立されたことで日本での認知度も高まっていった。
体と心の健康を再生していくアーユルヴェーダは、約5000年の歴史をもつ世界最古の伝統医学として世界保健機構(WHO)によって公式に承認されている。パンチャカルマという独自の5段階の毒素排出法をもち、体だけでなく心の毒素も排出する自然治癒法としての評価も高い。さらに、アンチエイジングのスキンケアとしても注目されており、薬用ハーブエキスや果物、エッセンシャルオイルから配合されている薬用化粧品は、安全性も高く健康的に肌の調子を整えることができる。都市部ではアーユルヴェーダを取り扱うサロンもあるため、一度試してみるのはどうだろうか。