2013年4月に胎児の染色体異常を調べる「新型出生前診断」が開始し、1年間で7775人が利用した。最近では「胎児ドック」と呼ばれるより詳しい検査を実施する病院も増えてきている。
(参照:「新型出生前診断」受診者数は7775人 開始半年よりも受診者が増加傾向)

Photo:Baby 2012 4D By myfrozenlife
「新型出生前診断」を開始して1年間で7775人のうち141人が陽性と判定され、羊水検査でダウン症や心臓疾患などの異常が確定されたのは113人、97%にあたる110人が中絶を選択した。中絶を選択した人や、今後検査を受けた際に異常が確定したら中絶を選択すると思うという女性から「障害のある子どもを育てる自身がない」「障害を背負って生きていかなければいけない子どもがかわいそう」などの意見がある一方で、妊娠継続を希望する女性の意見としては「自分の子どもだから中絶はしない」「心の準備ができている」という声もある。
近年、脳内の構造や心臓の形・血流、骨の状態などより詳しく調べる「胎児ドック」を実施する病院も増えている。しかし新出生前診断や胎児ドックもすべての病気を発見できるわけではなく、逆に出生後に病気を発見するケースもある。命に関わる選択のため、個人の倫理観や心理面に大きな影響を与えやすく、中絶を選んだ女性の心のケアも必要とされる。