多くの母親が子どもを母乳で育てたいと考えている。しかし、必ずしも出産した母親が十分な母乳がでなかったり、母乳を与えられる環境でなかったりもする。粉ミルクに抵抗を持っている人もいるが粉ミルクも立派な母乳のひとつである。
厚生労働省によると、乳幼児をもつ母親の96.0%が母乳で育てたいと思っていることがわかっている。
とくに出産後の初乳は、赤ちゃんに免疫を与えるために重要といわれており、母乳は消化しやすいため頻繁に授乳することになり赤ちゃんの顎の発達にもつながる。また、授乳という行為自体が母子の大切なスキンシップにもなるのだ。しかしながら、全ての母親が赤ちゃんに母乳を十分にあげられるわけではない。しっかりとした量がでない人や、母乳の中に赤ちゃんの食物アレルギー物質が含まれていたりなど、母親が母乳をあげられない境遇の場合も少なくない。
そこで粉ミルクを母乳と代わって利用することになる。母乳で育てたい母親たちの中では、粉ミルクは赤ちゃんにとって問題ないのか、という疑問が生まれるのだ。
小児科の専門医によると、初乳さえ与えていれば母乳と粉ミルクの栄養に違いはさほどない。大事なのは赤ちゃんに必要な栄養がしっかり与えられることである。粉ミルクだと母乳と比べて栄養素が足りているのかなと不安になるかもしれないが、栄養は母乳同様で問題なく、さらに赤ちゃんにあたえる規定量や間隔時間も計測し調整できるので、場合によっては粉ミルクのほうが赤ちゃんに必要な栄養を適切な配分で与えることになると言われている。
母乳と粉ミルクはほとんど同じ栄養素であるので、大切なのは状況に応じた母親の使用用法だと思われる。