厚生労働省は、医師不足が深刻化する問題において女性医師の出産や子育てによる退職も大きな要因として女性医師らをメンバーとした懇談会を設置し支援策を検討していくことを決めた。
(参照:桃井眞里子氏 女性医師の活用が今後社会で重要に)
近年は医師免許国家試験の合格率を男女比で見ると女性の合格率が高まっている。増加傾向にある女性医師数は女性の社会進出を象徴する一方で、女性医師の離職率の高さから医師不足を懸念する声も上がっている。
厚生労働省の調査によると女性医師の割合は20代が36%、30代が30%、40代が20%と年齢が上がるにつれ退職を選択する人が増えている。その理由としては出産・子育てが大きな理由である。女性医師たちを取りまく現状の職場環境は改善されてきてはいるものの、依然として仕事と育児の両立はとても困難とされている。
妊娠・出産前後に退職した理由で一番多かった回答は「家事・育児に専念するため」で39%、2位は「仕事を継続したかったが両立が難しかった」で26.1%である。勤務時間が合いそうにないという声が多い一方で自身の体力がもたなそうや、職場で両立を支援する雰囲気ではないなどの回答も多かった。
昨今では「イクメン」という言葉が生まれてくるなど、女性の社会進出とともに男性の育児への協力姿勢が求められてきている。男性が育児休暇を取得するという流れもあるが、男性医師の育児休暇取得率については取得率が低い事がわかっている。
厚生労働省では、早急に女性医師が両立をしていける環境づくりが必要であるとして年内を目標に女性医師を中心としたメンバーによる懇談会を設置することを決めた。勤務条件や医療機関が設置する保育所についてのほか、再就職を希望する女性医師からの相談や研修などについても検討をしていく予定である。