南記念病院のかまくら乳がんセンター長を務める土井卓子先生は神奈川県の乳がん撲滅を目指しピンクリボンかながわの代表も務めている。そんな土井先生が今の乳がんについて多くの女性に知ってもらいたいと常に新しい医療情報を取り入れ発信している。
(参照:第4回「土井卓子先生」乳腺外科の特徴は、外科手技的には3年もあれば一人前になれる)
2008年に立ち上がったピンクリボンかながわ。乳がん撲滅を目指し早期発見・早期治療・乳がんの受診率向上を呼びかけている。がんにも様々あり、女性では子宮がんや子宮頸がんなどの婦人病も危惧する対象ではあるものの、なぜ際立って「乳がん」への着目を訴えるのか。土井先生によると乳がんは他のがんと比べて女性にとっては最もかかりやすい悪性腫瘍だという点である。さらに厄介なことに、美肌に効果的な女性ホルモン「エストロゲン」は乳がんを発症しやすく効果を持つため、このホルモンの分泌が多ければ多いほどいいということでもない。
最近、TVでも話題となったハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーの乳がんに関する一件は記憶に新しい。彼女は遺伝子検査により、自身が遺伝性の乳がんの発症の可能性があることが明らかになると、予防のために乳房の切除手術を行った。これについて土井先生は、乳がんの遺伝検査は35歳未満の若い時期に乳がんが発症した女性や近親者に乳がんが複数人いるなどリスクへの要因が考えられる場合や予防という点では効果的であると述べ、しかし高額な費用に併せ検査で問題がなかったときに安心してしまうことに対しては別の問題を含んでいると示した。乳がん患者の90%は遺伝性と関係のないケースで、定期的なマンモグラフィ検診でも死亡率が減少している。しかし一方で乳がん患者は増加しており、早期発見のためにマンモグラフィでの検診を薦めている。
女性医局では過去に土井卓子女医の乳がんに関する講演会でのレポートを取材いたしました。
▶土井卓子先生による乳房触診研修会【ポジショニングの重要性】
▶土井卓子先生による乳房触診研修会【乳がんと触診を学ぼう】
5月10日には「かながわ看護フェスティバル2014」として看護や介護をテーマにイベントが開催されることとなり、血管や脳年齢測定、健康相談の他に、看護への進路相談や乳がんの早期発見につながる自己触診法についてのコーナーも設置される。
日時 | 5月10日(土) 11:00~16:00 |
場所 | みなとみらい21 クイーンズスクエア横浜1F クイーンズサークル |