東北大の研究グループは、乳房のX線撮影と超音波検査を併用すると、乳がんの発見率が1.5倍に高まることを発表した。
(参照:傷跡も残らない?進む乳房再建技術に期待)
Photo:150304-F-YO331-004 By Joint Base Lewis McChord
同大大学院医学系研究科の大内憲明教授らのグループは、2007年7月から11年3月にかけて、全国の40歳代の女性約7万6000人に臨床試験を実施。乳房のX線撮影のみの場合と、超音波検査も加えた場合の2つに分けて、がんの発見率などを比較した。その結果、がんの発見率は約1.5倍に高まり、がんと正しく判断できる「感度」や初期ガンの発見率も併用した場合の方が高かった。同大は、今回の研究の成果が乳がん対策の重要な基盤となることが期待できるとしている。
一方では、X線撮影と超音波検査の併用によって、がんでないのに乳房に注射針を刺す精密検査が必要と判断してしまう場合も見られた。同大は「超音波検診導入による質の向上が課題である」としている。